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強制送還とは何?費用や回避方法についても解説

日本で暮らす外国人にとって、強制送還とはこれまでの暮らしを維持することができなくなる一大事です。
外国人を雇う企業にとっては、雇用人が強制送還されることは業務上大きなダメージとなります。
日本で強制送還される外国人の数は増えていますが、ここでは強制送還とは何かについて詳しく解説しています。
また、気になる強制送還の費用や回避方法なども併せて紹介していきます。

強制送還とは

強制送還というのは、その名が示しているように外国人を強制的に国外へ送還する制度です。
正式名称は「退去強制」と言いますが、強制送還以外にも「強制退去」「退去命令」「国外退去」などと呼ばれることもあります。
もちろん、正規の手続きをとって入国し、適法に在留している外国人は、強制送還になる心配をする必要はありません。
しかし、出入国管理及び難民認定法24条に定められている対象者となると、強制的に国外へ送還されてしまいます。
以下に、強制送還となる主な理由を案内します。

犯罪への関与があった場合

密入国をした者は無条件で強制送還されますが、適法に在留している外国人でも犯罪行為を行えば強制送還の措置がとられる可能性が高くなります。

オーバーステイ

永住権をもつ外国人以外には在留資格が与えられますが、必ず在留期間が定められています。
在留期限が切れるとオーバーステイ、つまり滞在超過となり、強制送還の対象者となります。

適切なビザを取得していない場合

外国人が日本で働く場合は、就労ビザを取得しなくてはいけません。
また、留学生が勉強を終えて日本で就職する場合、留学ビザから就労ビザへ切り替えなくてはいけません。
状況に応じた適切なビザを取得しないまま日本に滞在している場合は、強制送還の対象となります。

資格外活動を行っていた場合

就労ビザを取得していても、与えられた在留資格には働くことが禁止されている職業があります。
外国人留学生も資格外活動許可を取得すれば、日本でアルバイトすることが許されます。

禁止されている職業に就いた、資格外活動許可を取得していない外国人留学生がアルバイトをしていたという場合、強制送還の対象となります。
資格外活動許可を取得していても、留学生は基本的に週に28時間しか働くことが許されていないため、それに反した場合も強制送還の措置がとられることになります。

強制送還の流れ

適法に在留していない外国人は強制送還されることになりますが、その対象となっている多くの外国人が日本に留まり仕事をしています。
つまり、犯罪行為をしていてもオーバーステイの状態でも、それが発覚しなければ日本にそのまま滞在できるのが現実です。
強制送還の措置がとられるにはきっかけがあります。
それは入管資料などから発覚する以外に、第三者からの通報、警察官による職務質問、強制送還対象者本人からの申告などです。
ここでは、強制送還になるまでの流れを紹介します。

1.入国警備官による調査

まず、様々なきっかけにより疑いをもたれた外国人は、入国警備官による調査を受けることになります。
調査の結果が「容疑無し」となれば、そのまま在留が継続されますが、「容疑あり」と判断されると次の段階へ進みます。

2.入国管理局収容施設へ収容

入国警備官の調査で「容疑あり」となると、最長で60日間、入国管理局の収容施設に収容されることになります。
一定の条件を満たせば即時仮放免される場合もありますが、強制送還が決定すると出国まで無期限で収容されます。

3.入国審査官による審査

収容中に入国審査官による違反審査が行われ「容疑無し」となると、在留継続となります。
一方「容疑あり」と判断された場合、対象者が希望すれば口頭審査を請求することができます。

4.特別審理官による口頭審理

口頭審理を請求した場合は、対象者である外国人が法務大臣へ意義を唱えることが認められます。
口頭審理の場には、弁護士や行政書士などの代理人を立ち会わせることができますし、許可を得れば知人も一人呼ぶことができます。

5.裁決

法務大臣による決裁が行われ、意義が認められると在留が継続となり、認められなければ強制送還が決定します。
また、異議が認められなかった場合でも「在留特別許可」がされ、在留が認められるケースもあります。

6.退去強制令書の発付

強制送還が決定されると退去強制令書が発付され、実施日まで収容施設で収容されることになります。

強制送還にかかる費用は誰が負担する?

強制送還が決定すると、当然自国へ帰るための交通費が必要となります。
その費用は強制送還の対象者が負担する以外にも、国側が負担する場合と、運送業者が負担する3つのパターンがあります。

自費負担

基本的には強制送還のためにかかる費用は自費負担となり、本人が用意しなくてはいけません。
送還費用をすぐに用意できない場合は、入国管理センターで引き続き拘束されることになります。

国費負担

実は、以前は強制送還にかかる費用は国費で支払われるのが一般的でした。
今も、強制送還の対象者が帰国する費用を賄えないと判断されると、国費負担になるケースは多々あります。

運送業者負担

強制送還になった者が逃亡した場合や、自国から入国を拒否された場合などは、稀ではありますが運送機関の責任となり、費用を運送業者が負担しなくてはいけません。

強制送還の回避方法

強制送還を対象者本人が回避するためには、与えられた資格の職業に就き、学生はルールに従いしっかり勉学に励むこと。
そして、犯罪行為をしない、関わらないことです。
本人はもちろんですが、外国人を雇用する企業も強制送還の措置がとられないよう注意しなくてはいけません。
もしも雇用する外国人が強制送還となった場合、雇う企業にも罰金などが科されてしまう可能性があります。
ここでは、企業側の立場から強制送還を回避する方法を紹介します。

在留カードを確認する

外国人を雇用する場合は、たとえパートやアルバイトだとしても必ず在留カードを確認してください。
併せて、仕事内容に適した在留資格をもっていることも慎重に確認してください。

資格外許可を確認する

前記した通りに、留学生でも資格外活動許可を得ている場合はアルバイトとして雇うことができます。
しかし、資格外活動許可を得ていない留学生を雇用したり、雇用できる上限時間をオーバーして働かせたりした場合、罪に問われることになります。

不審な行動に注意する

残念ながら多くの外国人が毎年日本から強制送還されています。
その中には働きながら犯罪に手を染めていたり、偽物の在留カードを提示していたりする者もいます。
外国人だからと疑いの目で見てしまうことはいけませんが、雇用主として、日頃から不審な行動がないか気をつけておくことは必要です。

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