お役立ちコラム

column

外国人労働者の賃金はいくらくらい?賃金決定のプロセスとは

日本で働く外国人労働者は、どのくらい賃金を得ているのでしょうか。
今回は、外国人労働者の平均賃金や、業種別の年収目安についてまとめました。
また、どのように賃金が決定されているのか、そのプロセスについても解説します。

外国人労働者の賃金はいくらくらい?賃金決定のプロセスとは

2020年の平均月収

日本で働く外国人労働者の賃金について、厚生労働省の令和2年賃金構造基本統計調査(※)から見てみましょう。
この調査によると、2020年の日本で働く外国人労働者の平均月収は218,100円でした。
この数字だけでは月収が多いのか少ないのか分かりにくいかもしれません。

そこで一般労働者の平均月収と比較してみるとよいかもしれませんね。
一般労働者の平均月収は307,700円です。
その差は約90,000円となり、割合でいうと一般労働者に対して外国人労働者の賃金は3割程度少ないことが分かります。

参照:厚生労働省「令和2年賃金構造基本統計調査 結果の概況」

業種別の平均月収

外国人労働者といっても、従事する業種によって平均月収には差があります。
外国人の場合、在留資格により従事する業種が異なります。

例えば教授や芸術、高度専門職や国際業務といった在留資格で入国する人は専門的・技術的分野で働く人たちです。
この人たちの平均年収は3,626,000円程(月収換算:302,200円程)となります。
次いで永住者や定住者、日本人配偶者などの場合の平均年収は3,084,000円程(月収換算:257,000円程)です。
外国人労働者の平均月収を超えているのはこの業種で働く人たちです。

一方特定技能14業種で働く人たちの場合は平均年収が2,095,000円程(月収換算:174,600円程)です。
また技能実習生の場合は平均年収が1,940,000円程(月収換算:161,600円程)です。
同じ外国人労働者の中でも、業種(在留資格)によってかなり賃金に差があることが分かります。

賃金決定のプロセス

外国人労働者の賃金は、同じ分野で働く一般労働者に比べて割安になっていることが分かります。
どうしてこのような低賃金になってしまうのでしょうか。
そこには賃金決定のプロセスが関係しています。

基本は一般労働者と同じ

外国人労働者といっても、同じ仕事に従事する労働者なので基本的には日本人が従事する場合と賃金決定のプロセスは同じです。
1時間当たりの賃金については最低賃金以上でなければなりません。
これは地域によっても異なりますが、令和3年度の場合東京都なら1,041円、沖縄県の場合820円です。
東京都で働く技能実習生の場合1日8時間、週5日、4週間働いた場合の最低月収は166,560円となります。
沖縄県において同条件で働いた場合の最低月収は131,200円となります。

勤続年数や技術や知識の有無

日本人の労働者の場合でも、勤続年数や仕事に従事するために必要な技術や知識の有無によっても賃金が変わります。
これは外国人労働者でも同じです。
外国人労働者でも専門的・技術的分野で働く人達の平均月収が高めなのは、やはり専門分野においての知識量や技術力があるからでしょう。
また永住者や定住者といった人たちの月収が高めなのは、継続勤務年数が長くなることが多いためです。

同じ条件の一般労働者との賃金格差

賃金決定のプロセスについては、一般労働者と外国人労働者では大きな差がありません。
ですが、実際の賃金を見てみると一般労働者と外国人労働者とでは賃金格差があります。
特に特定技能や技能実習といった在留資格で働く外国人労働者の賃金は、かなり低いと感じるでしょう。

実は、特定技能や技能実習で働く場合、就労制限があることが理由となります。
技能実習の在留資格では最長でも5年までしか働けませんので、勤続年数が伸ばせません。
特定技能の場合は2号となれば在留期間の更新制限がありませんが、1号の場合は通算5年と制限があります。
勤務時間についても制限が課せられています。

技能実習生の場合は1日8時間、週40時間という制限があります(ただし36協定を結べば残業が可能)。
特定技能で働く場合も同じです。
勤務時間が短ければ、長く働く人に比べ賃金が安くなるのです。

なぜ賃金が安いのに外国人労働者が来日し働くのか

外国人労働者の賃金は日本人の一般労働者に比べ割安です。
それでも年々外国人労働者の数は増えています。
どうしてなのか不思議に感じるかもしれません。

母国より高水準の賃金が得られるから

日本人の一般労働者に比べると割安と感じる外国人労働者の賃金ですが、母国の賃金に比べると高い水準であることが原因でしょう。

・ベトナムの平均賃金:約4,230,000ドン(円換算:21,150円)
・中国の平均賃金(公営企業の場合):約90,500元(円換算:135,720円)
・中国の平均賃金(民間企業の場合):約53,600元(円換算:80,460円)
・フィリピンの平均賃金:約26,100フィリピンペソ(円換算:57,420円)

このような賃金から比較すれば、母国よりも多額の賃金が得られる日本で働きたいと考えても不思議ではないでしょう。

まとめ

外国人労働者の賃金は、同業種で働く一般労働者に比べるとその水準は低めです。
ですが、賃金決定のプロセス自体は一般労働者の場合と同じです。
賃金格差が生まれる理由は、労働時間や勤続年数の短さ、経験や知識の浅さなどが原因でしょう。
それでも母国に比べると多額の賃金が得られると感じている外国人労働者が多いため、来日して働いてくれていると考えられます。

特定技能人材サービスの料金などはこちら

特定技能登録支援機関ジーオ【登録支援機関番号 20登-005269】

ページトップへ